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自然・nature

天川村で出会って嬉しかったのは、夜空に広がる天の川と、森と、神社に必ずあったたくさんの巨大な木でした。

川合地区にある天之水分神社のご神体と思われる、直径が2メートルを越えていた杉の巨木。


こういう圧倒的な存在の前に立つと、畏敬の念をいだくと同時に、触れてみたい思いに駆られます。これは神聖さを穢す所作なのかもしれない、、、とびくびくしながらも、手のひらを当てたり背中を寄せたりしてみる。触れると対話が出来るかというと、そういう訳でもないのですが。

そんな瞬間を写真に収めたのだけど、、、巨木さん、怒ってないですよね?

奈良県吉野郡天川町にある天河弁財天という場所に行ったのは、田口ランディの『水の巡礼』というエッセイに触発され、その中にあった写真家の森豊による湿り気が感じられるような森の写真を見て、こんな場所に身を置いてみたい、、、と思ったのがきっかけでした。

2泊して天の川を見上げ、聖域とされる周りの山を歩きました。森には至る所に巨大な木がそそり立ち、水気をたくさん含んだ空気に森全体が包まれている感じ。下草や苔、きのこもたっぷりと水を含んでぷるぷるしていました。澄み切った水の流れに逆らい、群れになって登るマスの腹が、日に照らされてキラキラ光っていました。


なのに。

なぜ、そんな清流をコンクリートでせき止めて、ダムを造らないといけないの?近くに工業地帯があるでもない山深い清流にダムを造り、エメラルド色の水が流れる川床へ向けて「放水時の避難路」としてコンクリートで固められた傾斜路が何本もつくられ、放水の情報をアナウンスするために設置された巨大スピーカーからは1日に2度、ばりばりに割れた音で役場からのお知らせが流れる。

どうして、神聖な雰囲気の漂うあの山に、コンクリートの土台を据え、四角柱を組み合わせた鳥居ともゲートともつかない赤い巨大なモニュメントを建てる必要がある?

視覚的にも触っても異質で無神経な、木を真似たコンクリートの手すりや階段をあの森に持ち込もうと誰が決めたのだろうか?


天河弁財天は静謐な場所だったけれど、そこにたどり着くまでに見た脈絡ない開発に怒りを覚え、すっかり疲れていました。掃き清められた境内を一歩出ると汚れたコンクリートの壁が目に痛く、痩せた植栽と埃っぽい駐車場に囲まれた「天の川温泉」に着いても、湯につかる気も失せるほどぐったりしていたのでした。

アレックス・カーがその著書『犬と鬼』で告発している、日本の景観を破壊した開発の構造、コンクリートで地面を覆うことで成り立つ経済について、わたしはこの天川村で体に刻み込まれるように理解しました。それは、開発を醜いものとしてはっきり映し出すほど、天川の森が美しい水に満ちた場所だったからだと思います。

良く晴れた朝、吉野杉の谷間に清らかなたたずまいの農家がある!と思って近寄ると、家の前は道路拡張工事の最前線でした。


ここは洞川温泉に向かう21号線の峠の入り口で、この道はすでに対向車線になっているし、バスも対向車と問題なくすれ違っているのに、木を倒して道路を拡張することは本当に必要なのだろうか?

水の森に入りそして出て来るまでは、こんな風景にここまでの違和感を持ってはいなかったと思います。

でも、今でははっきりと区別できる。

手入れの行き届いた農家のたたずまいは「森」に近く、日本の文化と美意識から生まれている。けれど、コンクリート壁と排水の穴は機能だけを考えて配置され、文化の洗練からは遠く離れた存在だと思う。造成したての今はある種の清らかさがあるけれど、年月が経つと穴の下は水垂れで汚れ、壁全体が赤茶けたカビのような色になって風景を浸食していく。

帰路のバスの窓から、コンクリート壁がすすけて赤黒くなり吉野杉の山腹を汚している様子をあちこちで見ました。それがどこにでもある風景で、わたしたちがあまりに見慣れていること、それが一番の問題なのだと森に気づかせてもらった帰り道でした。

気づくと9月も最終日。秋はデザインのイベント続きで、気づかないうちにどんどん深まってしまいます。ロンドンは朝晩かなり冷え込むようになり、予報では今週の後半には3度まで下がるらしい。冬がそこまで来ている。。。

毎年この時期に、友人の農場でヴィンテージ自転車のオークションが開催され、わたしはパートナーが丸一日かけて参加するのを横で見たり、ジャンブル・セールを冷やかして歩いたり、留守番で売り子をしたり、農場を散歩して木の実を集めたりする。今年はお天気もよく、紅葉を楽しみました。これが友人の経営する「The Old Bicycle Co.」のオフィス外観。


ちょうど読んでいた本「ひとつ、村上さんでやってみるか」にはさんで、押し葉にしました。同じ木からも、いろんな色の葉が落ちる。下は野バラの実、ローズヒップ。


これはsloeという名前の木、別名Blackthornの実で、これをジンに漬け込むと「スロージン」という香りのよいお酒になります。写真は砂糖と一緒に漬け込んで一夜明けた朝、スローの実から赤い色がじわじわ出てきている様子。クリスマス頃から飲めるらしい。


右のジャーはこれも農場で摘んだブラックベリーとりんごのジャム。ジャーはオーブンで、フタは熱湯で消毒しないといけないし、ジャムも煮詰まるまで時間がかかってけっこう手間。 それでも、ただで収穫した果物で冬に備える作業はなかなか楽しいものです。

あまり天気の冴えなかった日曜日。ロンドン北東郊外のCapel Manorというガーデンスクールでいろいろなテーマで作られた庭を見ました。整いすぎているのよりも少しダラけた、野性味すら感じられる庭がわたしの好みです。


そして、小さな花が好き。
何枚かお気に入りが撮れたので、拡大して見てみてください。

ちょうど2年前の今頃、すっかり忘れてた自転車にふたたび乗り始めました。

時間がかかったけど、ようやく慣れてきて、街中で乗るのもあまり怖くなくなった。イギリスでは自転車は車道を車と一緒に走るので、最初はかなり緊張したけど。ロンドンの街中では、運転手に良く見えるように蛍光色のジャケットを着て、ヘルメットをかぶって、今でもちょっと肩には力が入っていると思う。

なんといっても楽しいのは、車の少ない郊外をサイクリングすること。今日は少し風があったけど、暖かくなった田園を40キロほど走りました。


ブルーベルはピークを少し過ぎたかな。


昼食をとったパブの裏庭にカモが遊びに来ていた。今日のわたしのサイクリングの友、モールトンAM7です。こっちの自転車は大きくてなかなか乗れるサイズが見つからないけど、これならばっちり。 サドルはユーズドで見つけたブルックスです。今日はあちこちで一面の菜の花を見た。漂う香りも濃厚です。


自転車を始めようかな、と思っている人には、車の少ないカントリーサイドから始めるのをおすすめします。そして、最初は走り慣れている人に安全に走るコツを教えてもらうといいと思います。いろいろ、覚えると便利な道や作法があるから。わたしには3人師匠がいて、彼らからいろいろ教えてもらった。最初はわたしに合うサイズで性能のいい自転車の存在を教えてくれ、ハンドルはこれが乗りやすくタイヤはあれがパンクしにくく、頑丈なロックはこのタイプ、、、とオーダーのためのスペックを作ってくれたわたしのアシスタントと、売り場まで付いて来てくれたその彼女。彼らの助言なしには、そもそも自転車に乗り始めてないと思う。そして3人めは、古い自転車のコレクションが趣味の今のパートナーです。ちょうどオーダーした自転車が届いた頃に出会い、いろんな場所をサイクリングして自転車の魅力を教えてもらった。

この2年ですっかり自転車にハマって、週末は天気が良くても悪くても出かけるようになった。雨の中を走るのは、ちょっと修行っぽい。 なにやってんだか、、、とその時は思うのだけど、後で妙にすがすがしいのです。

自転車に乗るようになって、わたしは季節の移り変わりを肌で感じるようになった。さらに、近所の様子を以前よりも観察するようになったし、何が市街の交通やひいては行政の抱える問題なのかを考えるようになった。そして、自分の力で漕いで移動する、という体験を通じて、エネルギーの使われ方のことを考えるようになった。

そう。自転車はわたしにとって、どこに行くにも車を運転して資源を浪費していた、あの生活を変えるきっかけだったのです。
たかが自転車なのに。
なにしろ、気持ちいいからね。気持ちいいのが、いちばんですね。

I started to cycle about 2 yars ago. I had totally forgotten about this joy, feel movement of air and smell seasonal aroma – especially in countryside. I started to retrieve this nice feeling, to know that I can transport myself in energy efficient way.

Then I started to re-think about my way of living – I used to drive everywhere, paid huge on parking and congestion charge on top, wasted energy in my studio and home. I started to watch my energy consumption in every dimension of my life.

Yes, bicycle was the entrance to a change, a big change for me. This change is comfortable and rewarding.