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旅・travel

ずっと昔にインターンとして勤めてくれたデザイナーが関わった「ツリーハウス」を見に行きました。那須の二期クラブの庭、渓谷に流れる川沿いの場所。

木に寄りかかり、その構造に助けを借りながらもできるだけ傷つけないよう工夫された木の上の家は、中に小さな薪ストーブとソファーもあって、川を見下ろす大きな窓が開いたとても心地のよい場所でした。

那須は朝夕に涼しい風が吹き、さすがの避暑地でした。けれど、有機野菜マーケットですら野菜の放射能残留値を示さないと安心できなかったり、牛乳が売れなくなって酪農家が閉じたりと、3.11の影響を受けつづけています。ある場所の、永年つちかわれた文化をじわじわと壊してしまう可能性のある、そんなエネルギー政策はほんとうに見直す必要がある、そう感じた旅でした。

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I visited a treehouse, which is built on a garden of Niki Club in Nasu, Japan.  The treehouse is relying on the structure of a tree, but carefully avoiding to damage the tree.  In the room there is a little wood stove, a sofa and a large window for you to look down a little stream beside the tree.

Nasu was originally opened by Europeans who wanted to escape hot Tokyo during the summer.  Now the area has the Hot Spot problem since the Fukushima nuclear power plant was damages by Tsunami in 2011 – somehow, the wind delivers high concentration of radioactive contaminant to the area.

I think it is urgent to raise awareness for changing energy policy of Japanese government.  It is so obvious that they cannot continue to build and run fragile nuclear power plants on shaken island and destroy their indigenous culture attached to local lives.

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イギリスのノーフォーク州に住む友人がアルパカを飼い始めたのです。行って、触ってきました。

やわらかい、、、。夏の終わりに一番ふわふわの毛を刈ったところなので、長い毛は頭と足元少ししか残っていないのだけど、ふわふわというよりは、ソフトなベルベットをそうっと触る感じ。毛足は短いけれど、毛の生えている皮膚も柔らかいので手触りがふかふかとあたたかく、、、今まで味わった事のない感触でした。

アルパカはとてもフレンドリーな動物です。彼らの放牧されている草地に入って行くと、こちらを観察しながらゆっくり歩いて近づいて来る。人間を怖がっていないようで、興味深そうにくんくんと臭いをかいだりして周りをうろうろする。なのに、触られるのはあまり好きではないようで、ちょっと首をさわったらすーっと離れて行ってしまったのでした。腕をまわしてハグしたかったなぁ。

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触感というのは、いろいろな想像力をかきたててくれるものなのだ、、、とアルパカに触れて改めて気づきました。

わたしには大好きで触りたくなるものがいくつかあって、、、そのどれも、生きているものの一部なのです。日常的に触れられる距離にあるものは、その持ち主(というか、所在場所?)を大切に守ろうと思うし、わざわざ出かけて行って触れるものは、遠くにあってもその存在がわたしを元気にしてくれ、旅に出る動機をくれる。そうっと触れるわたしの指先がちゃんとなめらかでその対象を傷つけないよう、指の手入れしないといけないし、がさつな触り方にならないよう、まずは呼吸をととのえて、、、などと思ったりする。

「触感」がわたしたちに与えてくれる喜びについて、その楽しみをどうデザインに活かすかについて、もっと考えてみてもいいのかも、と思ったアルパカとの出会いでした。

レトロ・ロンド」はベルギーのフランダース地方の有名な自転車レース「Ronde van Vlaaderen」の地元をヴィンテージの自転車で走るイベントです。

RR01RR02RR03ビール祭りをやっているアウデナールデの街を出発する初心者向け40キロまたは山坂のきびしい70キロの各ルートは、田園を抜け、風車を眺め、農家の庭先や古道具屋カフェで休憩ができる楽しいコースになっていて、いつも走り慣れている人たちが丁寧に計画し、地元の人たちのサポートを受けて作られていることがわかります。

RR04車に積んでベルギーに運んだのはこの自転車、1970年代のフランス Gaidou製レディース用ツーリングバイクです。ギアが10段階切り替わるので、坂道もばっちり。太いタイヤで石畳にも対応。

RR05今までに2度、去年3年前のをこのブログでもレポートしていますが、4度目の参加で石畳を走ることにもだいぶん慣れて来ました。それから、今年はじめてレース用のジャージで走りました。速くもないのに格好だけ決めてるのも恥ずかしい、、と思っていたのだけど、近頃は少しだけツーリング的ふくらはぎになってきたし、やはり快適なので思い切って。

だから、という訳でもないと思うけれど「スタイリッシュなライダー」の3位に選んでもらって、他の受賞者との記念撮影が下の写真です。地域の自転車行政のお役人さん、出発&ゴール地点の自転車ミュージアム館長、市長、ヴィンテージな衣装に身を包んだ牧師さんたちとにっこり。

RR06レトロ・ロンドの翌日は、石畳の急な坂道で有名な場所をいくつか訪れ「ふぇ〜、これを漕いで登るの〜?」とため息をつく。ひとつは「壁」という名前までついた、歩くのも大変な坂道でした。

RR07RR08ここには、日本の地方にも参考になる「リピーターを生むツーリズム」の原点がそろっている気がします。地元の歴史と生活を大事に思っている人たちが集まってささやかではある場所の良さを育て、心地のよい「体験」を訪問者に差し出す。

今回のレトロ・ロンドでも300人近い参加者の半分ぐらいはベルギー外の近隣国や遠くはオーストラリアから来ていたヴィンテージ自転車のファン達で、たくさん素敵な自転車を見て、風を切ってペダルを踏んで汗をかき、ベルギービールでうるおって、にこにこしながらそれぞれの帰路についたのでした。

わたしのベルギー体験の幸せな締めくくりは、このビール・アイス。少しビターで、もう最高。

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みなさん、お久しぶりです。もう日本時間では7月1日ですね。なんと、2010年も半分が過ぎてしまいました。「光陰矢の如し」とは、まさに。

design-hug のトップページが一昨年5月で止まっていることに憤慨して半年も更新しなかったのですが、wordpressのカスタムCSS費用ぐらいは払い続けるみたいなので、ブログは続けることにしました。ブックマークしてるみなさん、HPトップではなく、このブログのトップに。

さて、本題です。
ベルギーのヴィンテージ自転車のイベント「Retro Ronde」に参加しました。2年前にも一度ここでレポートし、今年が3度目です。今年の自転車はこれ。昨年末に入手して以来、調整をかさねて快適な乗り心地になってきたフランス1947年製René Herse。

自分にぴったりなサイズの自転車に出会えたことがまず嬉しいのですが、これは本当に素敵な自転車なのです。ギアの入れ替えにも慣れ、これなら苦手な石畳もOKだろう!と、前日にコース近辺を走ってみました。

「郷に入れば郷に従え」で、まずはビール。 午前中からサイクリスト達が立ち寄る地ビールのバー。。。

ツール・ド・フランダースで有名な石畳の急斜面は、土曜日にはフリー・マーケットが出ていました。押して歩くのさえ息があがるのに、雨の中(ツール・ド・フランダースは春先で、いつも雨が降っている)ここを自転車で登るレーサーって、マゾ?

30キロぐらい走り、全身がぶるぶる震えて視界がかすみ頭痛すらしてくる石畳に悲鳴をあげながらも、徐々に慣れる。夜は翌日にそなえて肉を食べました。ポテトフライにマヨネーズをつけるのがベルギー風。

翌朝は雲ひとつない快晴。アウデナールデの市庁舎の隣にある自転車博物館からスタートします。

広場に集まるヴィンテージ自転車自慢たち。こんな木製ホイールでも、この人たちは70キロの坂道コースを走るのです。地元ベルギー人の他にもイギリス、ドイツ、オランダ、フランス、イタリア、遠くははるばるオーストラリアからも参加していました。

レトロな牧師さんに自転車と一緒に祝福され、市長の前で誓約書にサインして出発です。

こののち、わたしは石畳2キロをふくむ40キロのコースを走り、途中で飲み物とイチゴやアイスクリーム、ケーキなどの出る休憩所を3カ所経由。その間は、友人たちの後を追うのが必死なので、ほとんど写真を撮っていません。アウデナールデ市が協賛し、若いオーガナイザーと近隣の人たちに支えられた、手作りで気持ちの良いイベントでした。

たくさん汗をかき、素敵なヴィンテージ自転車をたっぷり見て、翌月曜日に自転車を積み込み帰路につく。昼食は美味しいビールの醸造されている修道院のカフェです。

ハムのビール・ゼリー固めと甘めのピクルスがよく合う。この後、「ビール・アイスクリーム」というのを食べました。少しだけ苦味のあるビール味はとっても美味しかった!なのに、写真撮るのを忘れてた、、、。

今回の旅でも、一番印象に残ったのは自転車をとりまくベルギーの施政のこと。自転車レーンが都市部と郊外、そして田園まで整備され、自転車ルートを示す番号が角かどに立って、専用のマップで事前にナンバーを書き出しておけば、地図を見なくても延々走って行ける。車や農業トラクターでさえサイクリストに慣れているから、どこでも気持ちよく道をゆずられるのです。修道院などの観光地にもたっぷりの数の駐輪施設があって、大きなグループでも心配なく自転車を停めて休める。

これはとても進んだ文明の姿なのでは?と、ベルギーを訪れるたびに思うのです。石油を使わなくても、楽しく遠くまで移動できる、そんなレジャーのための道路を作った行政。イギリスや日本にはまだ存在しない、50年後(25年後かも?)の週末の風景。。

「苔」の次の(というか並走している)マイ・ブームは「雲」です。

サイクリングしてると、雨雲の行方とか風の方向とか、空の様子を目の端でいつも見ている。そして、休憩する時は伸びをして空を眺めることが多いのです。

こんな雲がぐんぐん迫ってることに気づいて大急ぎでこいで逃げたり。

海辺に立つと、豪快な雲に出会うことがある。大地と海が出会う辺りには、ダイナミックな空気の動きがあるのですね。 そこに夕日が当たっていたりすると、素晴らしいプレゼントを旅の途中でもらったような嬉しさがあります。

少し前にBBCの「Cloud Collectors」という番組で「The Cloud Appreciation Society」という会を作ったイギリス人Gavin Pretor-Pinneyが、雲を分類し記録にとって集める楽しさについて話していました。この「雲を賞賛する会」は会員が世界に1万人以上いると知り、空を見上げて「わー!」と言ってるのはわたしだけではなかったことを知った。サイトはこれです。
http://cloudappreciationsociety.org/

このプレゼンターが携帯に便利なようにまとめた本「The Cloud Collector’s Handbook」を見つけ、英語では雲に詩的なニックネームが少ないことや、雲は高さや形状で分類され、ラテン語の学名で呼び分けられることを知り、その舌を噛みそうな名前を憶えてみたくなったのです。

そして、今回の帰国でこの本を持って飛行機に乗ったら、ほんとうに楽しかった!今まで、地上からではいまいち判断がつきかねていた雲の高低がはっきり見えたし、離陸や着陸の時に、層になって浮かんでいる雲の間を飛行機が飛んだりする。「おおー、アルトクムルスとストラトクムルスの間を飛んでいる〜〜」とか「ホントに綺麗なしましまになってる〜〜、あれはウンデュラトゥス、、」などと本と見比べ、心のなかでぶつぶつ言いながら何枚も写真を撮ったのでした。

この一枚は国内線から見た中央アルプスにかかる雲とそこから頭が出ている富士山。翌日の復路では、夕焼けに染まった雲の層の間を飛行機が飛び、刻々と移りゆく色をうっとりと眺めたのでした。

周りの人たちに教えてあげたい、と思ったのだけど、寝ている人を起こすのも悪いし、がまんしました。出張のフライトは疲れるけれど、この小さな本一冊で、こんなにフライトが楽しくなったのは自分でも驚きでした。

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今日(正確には昨日)から東京ミッドタウンの地下で始まったデザインタイドは、会場構成が「雲」です。これは地上から雲を見上げてるのではなくて、展示も観客も上空2000~3000メートルぐらいに浮いていて、ストラトクムルスの上面がでこぼこした中を歩いている感じ、、、かな?

アルベルト・コンタドールの優勝で幕を閉じた今年のツール・ド・フランス。最終日のパリ、シャンゼリゼでは別府史之選手が先頭集団7人の一人で目立っていましたね。おもわず「がんばれ、日本男児!」と応援しました。

ツール・ド・フランスは1903年に始まり100年以上の歴史があるイベントで、21ステージの出発やゴールを誘致しようと、毎年たくさんの都市が名乗りを上げ権利を競り落とすのだそうです。沿線にずらっと並ぶファンといい協賛社の多さといい、宣伝媒体としてだけではなく「自転車文化」が根付いているなぁ、という印象を受けます。フランスやベルギー、オランダなどの津々浦々に延びる自転車専用レーンや使いやすいサイクリング用マップなどは、その文化を支えている。

スプリンターのマーク・カヴェンディッシュが最終日を含む6ステージで1位になったり、トラックレース選手のブラッドリー・ウィギンズ が山岳ステージでも健闘して総合4位になったので、イギリスでの中継やダイジェストも盛り上がっていました。けれど、まだ衛星放送のレシーバーがないと観れないチャンネルだし、自転車レーンは貧弱で危ないし、この国がツール・ド・フランスで優勝者を出すのはまだ先かな?という感じ。

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最近あまり書いていなかったけれど、ほぼ毎週、車の少ない郊外で30キロから50キロぐらいサイクリングしています。

3年続けると少しは脚力もついてきて、最初は押して歩いていた坂を上がれるようになってきた。まずはトウ・クリップをペダルに付けて「立ちコギ」の練習をし、慣れたのでトウ・ストラップに昇格。自転車も最近は軽量のツアー用、フランスBarra社1950年製でライディング・ポジションも少しスポーティーになりました。気を良くして先週末は88キロを走ったのだけど、さすがに翌日お尻が痛かった。長距離を走る時は、パッドの入った専用のウェアを着た方がいいのですね。たいして速くもないのに、レース選手のような格好になるのが気恥ずかしく、普段着に近いもので走ってるのだけど、、、。

ひと月前にはこの自転車で、ベルギーで開催された「Retro Ronde」に参加しました。去年もこのブログで報告したこのイベントは、ツール・ド・フランダースのコースの一部をレトロな自転車とそれに合わせた服装で走るもので、65キロと35キロの2つのコースのうち、わたしは短い方を走りました。65キロのほうは、坂道もきつく石畳の道も多く、わたしにはまだ無理。前日に少し試してみたのだけど、石畳にはなかなか慣れません。

二の腕はぶるぶる震えるし、奥歯はがちがち鳴る。視界がぶれ続け、最後には頭痛がしてきた。でも、ヨーロッパでは伝統的に、ローマ人の発明したこの石畳を好んでレースをしてきたみたいです。まだ道が舗装されていなかった時代には、このほうが走りやすかったのかもしれないけれど。

ツール・ド・フランスの最終日も、シャンゼリゼの石畳を周回してゴールです。21日間のレースで毎日平均150キロを時速40キロのスピードで走り続け、最後にこの石畳を歯を食いしばって走り抜ける若人たち。このレースに向けたトレーニングは相当な量なのだろうなぁ。若者にまざって復活参加し、優秀なチームに護られたとはいえ、3位にくいついたランス・アームストロングもやっぱりすごい!今年はドーピング騒動もなく(あれは興ざめだったものね)最後まで手に汗にぎって楽しんだ。

連日の観戦で元気をもらい、わたしもまだまだ、、、諦めないで地道にサイクリングを続け、いつかはRetro Rondeで坂道の65キロコースに挑戦したいな、と思ったりするのでした。

前回紹介したルーオン近郊のマナー・ハウスは、華美すぎないセンスの良さが気に入っている旅行評論家の本がサイトになった「Alastair Sawday’s」で見つけました。

このサイトでは最近はEthical Stay、Ethical Travelという観点で編集がすすんでいて、特に有機農場や地域の食文化に貢献している宿を積極的に紹介しています。

フランス中央部の都市Bloisから南に10キロほど下った平野に点在する農場の一つがゲストハウスとしてそのサイトで紹介され「地域の農場の生産する卵やヨーグルトを味わえるオーガニック料理が楽しめる」 とあったので予約してみました。ここは、なかなか楽しい滞在になりました。車がないと難しいかもしれませんが、GPSを積んでいれば、目立った特徴のない平原の農場でもちゃんとたどり着きます。

ロワール川に沿った平野の一角、畑や林やワイン農場の広がる一帯。古城やサイクリング・ルートなど、観光の拠点としても良い立地。家主のソフィーは英語も堪能で、地図やパンフレットもバイリンガルで用意されています。もと農機具置き場だった小屋が2室のゲストハウスとして改装され、部屋は質素だけれど清潔。そしてなにより、ホストとしてのソフィーがすばらしく、友人宅に招かれたような雰囲気と手料理。猫好きにはたまらない、目つきの据わった「ギャロッパ」がみゃー!と迎えてくれます。

まずは庭でナッツをつまみながら自家製ワインの食前酒を飲み、もう一室に泊まっている客と一緒にリクエストしていた「ノン・ベジタリアン」の季節料理を楽しみました。 ホロホロ鳥と野菜のスパイス蒸し料理。ソフィーが毎年作っている、庭で採れるレモンのピクルスが料理に使われていて、あまりに美味しくてピクルスのレシピを書いてもらったり。

朝食には近所の農園で作られるフレッシュ・クリームやオーガニックの蜂蜜が庭で摘まれたばかりのベリーと一緒に出され、フランスの普通の家庭がふつうに味わってきた食文化に触れ、その素晴らしさをたらふくお腹に詰め込んだのでした。 ふくろうの鳴き声を聴きながら眠りに着き、近所の農園のニワトリの声で目覚める。都市部ではなかなか味わえない、素敵な体験でした。