Archive

Monthly Archives: November 2009

先日ここに書いたエキサイトの「これ、誰がデザインしたの?」を遡って読んでいたら、日本滞在中に見逃してしまったらしい汐留ミュージアムでのウィリアム・ド・モーガン展のことが紹介されていました。

イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動でウィリアム・モリスと一緒に中心的なデザイナーだったウィリアム・ド・モーガンの作品が多数展示されているようです。まとめて見るチャンスを逃したのは、残念。実はド・モーガンのいくつかの作品は身近な存在なのです。

毎朝、顔を洗う洗面台にタイルが2枚、置いてあります。パートナーが何年も前に買ったもので、タイルとほぼ同じ頃に建てられた家によく合っています。キッチンに飾られている絵皿もド・モーガンの作だと知ったのは最近になってからですが、これらはどれも、真ん中で割れていて裏から金属のピンでくっつけてあったり、一部分欠けてなくなっていたりして骨董価値はないらしい。そういう状態のものなら今でも古物屋に出回るらしく、友人宅でもこの色合いの皿を見たことがありますが、どれも装飾的だけれど表情のある動物や鳥がいきいきと描かれています。

スタジオと家のちょうど中間あたりの街WalthamstowにあるWilliam Morris Galleryに行くと、アーツ・アンド・クラフツの家具やタペストリーやガラス器などと一緒に、ド・モーガンのタイルも展示されています。

右下の野うさぎがかわいい。けれど、これは繁殖期にボクシングのような戦いをして、勝った方が力を誇示している図柄らしく、たしかに左の野うさぎは 表情がしょぼんとしています。ここはウィリアム・モリスが生前に住んでいた家がミュージアムとして公開されているもので、ステンド・グラスや内装も残され、当時のたたずまいが楽しめる場所です。

ロンドンの西のChiswickにはド・モーガンのタイルが今も残っているパブ The Tabard Inn があって、近くに行くと寄ることがあります。ここに描かれているへびは迫力です。

前述の「これ、誰がデザインしたの?」の記事ではじめて知った Leighton House はミュージアムになっていますが、現在改修工事中で2010年の4月に再公開するようです。ここにはド・モーガンが監修をし、彼のタイル作品のルーツだった中東のタイルでびっしり装飾された部屋があるみたいで、春になったらぜひ行ってみようと思います。

秋の深まってきた今の空気とド・モーガンの使ったターコイスやれんが色の色調がぴったり合うからか、なんだか芋づる式に興味のわいた記事でした。紹介されていた「Spooks」というテレビシリーズのYouTubeもいくつか観たけど、ロケーションとなったLeighton Houseは確認できず。あと何本か観てみようかな。

先日21_21 Design Sightの前庭ですれ違って立ち話をした、古い知り合いのデザイン・ジャーナリストの方から、メールが届きました。

excite.ismの中で彼女がもう一人のライターと共同で書いている、「デザインの現場」のオフィシャルブログ「これ、誰がデザインしたの?」にて、9月にLondon Design Festicalで展示した屋根瓦を載せた鳥小屋をレポートしてくれていたとのこと。読みました。先月このブログでも紹介した鳥小屋ですが、かなり地味な展示だったので、ちゃんと発見されていたのが嬉しいです。

そして、前後のデザイン系イベントのレポートを読むと、いくつか見慣れたものが出ていてちょっと可笑しくなったのでここで報告します。

まずは、 London Design Festicalの続きで街中の展示を見る途中で彼女が発見したヘンなものたち。「以下、これ誰がデザインしたの?と問いたいもの。」とありますが、掲載写真の2枚目(ダサいシャンプーのパッケージ)と5枚目(場所をとる宝くじの陳列台)は、ほぼ間違いなくわたしの隣人の仕事です。スタジオの隣に住んでいて毎日出勤していく隣人はパッケージデザイン事務所を主宰していて、わたしよりも高いデザイン料をチャージして、これらの「なぜ??」というデザインをクライアントに提供しています。頼む方のセンスを疑ってしまうこういうバブルでオールド・ファッションなものをしっかり笑ってくれているこの記事は小気味よいなぁ。

それから今月始めまでやっていた東京でのデザイン・イベントに関する記事で、7枚目に載っている赤い屋根の鳥小屋の写真は、ロンドンにスタジオを持つバルセロナ出身の友人、ロジャー・アーグヮーの作品です。以前に住んでいたアパートでねずみに悩まされた経験からデザインしたMousetrapsなど、ユーモアたっぷりの作品が特徴です。今回、東京でいくつかのオープニングに一緒に行ったので「彼氏?」と何度か聞かれたのですが、聞かなかったけどもしかして?と思った人に、ちがいまーす、友人でーす!とここにお断りしておきます。スタジオが近いのでよくランチを一緒にしたり、材料と鍋をモールトンの荷台にくくりつけて運んで、わたしのスタジオでパエリアを作ってくれたりする友人です。

ロンドンは(他のどこの都市も同じだと思うけれど)こんなふうに、年齢や職業に関係なく、「うん、うん、そうだよね。」と共感をおぼえるタイプの仕事をする人と「どーして、こんな?」と思うような仕事をする人とが混在し、それぞれが毎日いい匂いをさせたり(隣人もなかなかの料理上手で、週末はよくローストの匂いがします)、冗談を言ったり、洗濯物を干したり、ハーブを育てたりして楽しく暮らしている街です。きっと、世界中がそんな感じなんだよね。