雲・cloud
「苔」の次の(というか並走している)マイ・ブームは「雲」です。
サイクリングしてると、雨雲の行方とか風の方向とか、空の様子を目の端でいつも見ている。そして、休憩する時は伸びをして空を眺めることが多いのです。
こんな雲がぐんぐん迫ってることに気づいて大急ぎでこいで逃げたり。
海辺に立つと、豪快な雲に出会うことがある。大地と海が出会う辺りには、ダイナミックな空気の動きがあるのですね。 そこに夕日が当たっていたりすると、素晴らしいプレゼントを旅の途中でもらったような嬉しさがあります。
少し前にBBCの「Cloud Collectors」という番組で「The Cloud Appreciation Society」という会を作ったイギリス人Gavin Pretor-Pinneyが、雲を分類し記録にとって集める楽しさについて話していました。この「雲を賞賛する会」は会員が世界に1万人以上いると知り、空を見上げて「わー!」と言ってるのはわたしだけではなかったことを知った。サイトはこれです。
http://cloudappreciationsociety.org/
このプレゼンターが携帯に便利なようにまとめた本「The Cloud Collector’s Handbook」を見つけ、英語では雲に詩的なニックネームが少ないことや、雲は高さや形状で分類され、ラテン語の学名で呼び分けられることを知り、その舌を噛みそうな名前を憶えてみたくなったのです。
そして、今回の帰国でこの本を持って飛行機に乗ったら、ほんとうに楽しかった!今まで、地上からではいまいち判断がつきかねていた雲の高低がはっきり見えたし、離陸や着陸の時に、層になって浮かんでいる雲の間を飛行機が飛んだりする。「おおー、アルトクムルスとストラトクムルスの間を飛んでいる〜〜」とか「ホントに綺麗なしましまになってる〜〜、あれはウンデュラトゥス、、」などと本と見比べ、心のなかでぶつぶつ言いながら何枚も写真を撮ったのでした。
この一枚は国内線から見た中央アルプスにかかる雲とそこから頭が出ている富士山。翌日の復路では、夕焼けに染まった雲の層の間を飛行機が飛び、刻々と移りゆく色をうっとりと眺めたのでした。
周りの人たちに教えてあげたい、と思ったのだけど、寝ている人を起こすのも悪いし、がまんしました。出張のフライトは疲れるけれど、この小さな本一冊で、こんなにフライトが楽しくなったのは自分でも驚きでした。
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今日(正確には昨日)から東京ミッドタウンの地下で始まったデザインタイドは、会場構成が「雲」です。これは地上から雲を見上げてるのではなくて、展示も観客も上空2000~3000メートルぐらいに浮いていて、ストラトクムルスの上面がでこぼこした中を歩いている感じ、、、かな?