オーガニックな宿:organic stay
前回紹介したルーオン近郊のマナー・ハウスは、華美すぎないセンスの良さが気に入っている旅行評論家の本がサイトになった「Alastair Sawday’s」で見つけました。
このサイトでは最近はEthical Stay、Ethical Travelという観点で編集がすすんでいて、特に有機農場や地域の食文化に貢献している宿を積極的に紹介しています。
フランス中央部の都市Bloisから南に10キロほど下った平野に点在する農場の一つがゲストハウスとしてそのサイトで紹介され「地域の農場の生産する卵やヨーグルトを味わえるオーガニック料理が楽しめる」 とあったので予約してみました。ここは、なかなか楽しい滞在になりました。車がないと難しいかもしれませんが、GPSを積んでいれば、目立った特徴のない平原の農場でもちゃんとたどり着きます。
ロワール川に沿った平野の一角、畑や林やワイン農場の広がる一帯。古城やサイクリング・ルートなど、観光の拠点としても良い立地。家主のソフィーは英語も堪能で、地図やパンフレットもバイリンガルで用意されています。もと農機具置き場だった小屋が2室のゲストハウスとして改装され、部屋は質素だけれど清潔。そしてなにより、ホストとしてのソフィーがすばらしく、友人宅に招かれたような雰囲気と手料理。猫好きにはたまらない、目つきの据わった「ギャロッパ」がみゃー!と迎えてくれます。
まずは庭でナッツをつまみながら自家製ワインの食前酒を飲み、もう一室に泊まっている客と一緒にリクエストしていた「ノン・ベジタリアン」の季節料理を楽しみました。 ホロホロ鳥と野菜のスパイス蒸し料理。ソフィーが毎年作っている、庭で採れるレモンのピクルスが料理に使われていて、あまりに美味しくてピクルスのレシピを書いてもらったり。
朝食には近所の農園で作られるフレッシュ・クリームやオーガニックの蜂蜜が庭で摘まれたばかりのベリーと一緒に出され、フランスの普通の家庭がふつうに味わってきた食文化に触れ、その素晴らしさをたらふくお腹に詰め込んだのでした。 ふくろうの鳴き声を聴きながら眠りに着き、近所の農園のニワトリの声で目覚める。都市部ではなかなか味わえない、素敵な体験でした。