文明の交差点

Vitra Design Workshopの続きです。

この場所が特別なのは、たくさんの国からいろんな夢を持った人が集まって「デザイン」をキーワードに濃い時間を過ごす、その集合場所だからだと思うのです。さまざまな背景を持つ人たちが、作品を通して他の文化を体感し、いろいろなものを「exchange」する。


場所そのものにも「exchange」がある。フランスの片田舎の農場で、柳宗理さんのエレファント・スツールが迎えてくれる。遠く日本でデザインされた家具が、何年ものちにドイツの会社から発売され、ここの風景のひとつになっているののを見て、最近読み返した本にあった柳さんのスタジオの写真を思い出しました。中庭でそのスツールを重ねて作業しているのはイギリスで学生をしているドイツ人。


「風の模様」を作ったのはアメリカに住む韓国人と、スペインに住むメキシコ人とノルウェーから来たデザイナーの3人。異文化の中で切磋琢磨してる人は、共同作業のやり方が柔軟で、自分の意見もしっかり言う。「かわいい子には旅をさせろ」というのはこの事だな、と思ったり。この3人は趣味がうまく重なったようで、始終楽しそうにいろんな実験をしていた。出来た作品をみて「日本的!」と言った人がいたけど、、、不思議なものです。


このうちの一人メキシコ人のXimena(ヒメナ)はわたしと同世代で、高岡にある富山デザインセンターで10年ほど前に留学生研修をしたとのこと。わたしも以前、富山県氷見市の街灯をデザインする仕事でセンターのお世話になったことがあり、その工房の頼りになるエンジニア「Yoshida-san」のことを、時空を超えて二人で懐かしく話したのでした。

その時に浮かんだ言葉が「文明の交差点」。
たくさんの人の、いろんな体験や知識から繰り出されるアイデアやインスピレーション、想い出やワクワクがふと足を止める場所。今まであまり知らなかった国のことに興味をもったり、友だちができたりする場所。

面白かったのは南米の人たちとの出会いでした。

選抜を勝ち抜き国費でワークショップに参加しているメキシコ人の女の子たちは勤勉でした。チリ出身でバルセロナに住み秋からはローマで仕事が決まっているという女性は、ティーンエージャーの娘をその父に託し、一週間おおいに羽を伸ばしていた。タティアナというロシアな名前でアジアな顔だちの女の子は、日系ブラジル人。日本語は話せないからわたしとの会話は英語で。でも彼女がポルトガル語で一生懸命アイデアを話すと、スペイン語圏のメキシコ人やスペイン人にはちゃんと通じるのです。みんなまとめて、元気だったなー、南米の女性たち。振る舞いはラテンなんだけど、どこか懐かしい感じのする顔だちと小粒な体型。みんなよく飲み、よく話す。


工房のアシスタントや調理場の手伝いをしていた若いデザイナーたちは、ひと夏ここに滞在して工房やキッチンで働いて、いくつか自分もワークショップに参加する、 という交換条件のボランティアのような人たちで、いつもながら気持ちのよい若者が集まっていました。写真のスクーターは、そのうちの一人が実家から持って来た旧東ドイツ製。彼は、照明デザイナー、Ulrike Brandiが連れて来ていた3人の小学生に竹で笛を作るやり方を教えてあげたり、夕食後のバトミントン・トーナメントのトロフィーを彼らが作るのを手伝ったりする素敵なお兄さんでした。

3位のトロフィーは今、わたしのスタジオに飾られています。ダブルスを組んだリバプールの建築家Robert Kronenburgのオフィスに、いつか持って遊びに行く予定。

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