ニセモノの宿 / a room with fakes

どんなに格好よく見せかけを作っても、ニセモノに囲まれた空間では心からくつろげない、、、という体験をしました。


先週、出張で行ったイタリアの都市パドヴァで、スペインの「デザイン・ホテル」AC HotelsチェーンのひとつAC Padovaに泊まった時のこと。

古都の城壁の外、工業地帯の入り口、という立地だけど、2重窓で静かだし、清潔。サービスは節度があって気持ちよく、モダンだけど大きすぎないサイズ。かなり気に入りそうなホテルなのに、、、惜しいなぁ。


レセプション周りは、さすがにちゃんとしてました。シックで快適。色使いも照明も、質感もよい感じ。でも、客室が。


最初の印象は悪くなかった。床やカーテンの色合いは落ち着いて、照明もしっとり、収納もたくさんある。掛かってるコルビジェの教会の写真もいい感じ。でも椅子が「なんちゃってイームズ」だと気づき、あらら、、と思って見回すと、偽物だらけだったのです。レセプションの前にあったソファはデンマークのラムハルツだったけど、客室にあるのはそれを真似て作った稚拙なソファ。脚の金物はスプレー塗装だし。極めつけはウォールナットに似せた木目がプリントされているビニール張りの床。まあねぇ、こういう場所では、ハイヒールの跡が残る床材を使いたくないのは分かるけど、、。

バスタブは大きく立派に見えるのに、プラスティック。これは、中に入るとパカパカ音がするし、底はふわふわするし「ホテルで入浴」という楽しみの時間を台無しにしてくれるよなぁ、、と思う。洗面台は、見栄えは良いガラス板だけど、これ、メタルの土台との接着部分をキレイに紫外線溶着しないと、ボンドみたいなのが透けて見えるのはかっこ悪いです。こんな掃除に手のかかる素材を使うなら、それくらいの気は遣って欲しいと思う。くぼみの大きさが微妙で水は飛び散り、裏をつつーっと水が流れたりするので、翌朝にはかなり汚れた印象になってしまう。しかも、天板に傾斜があって、置いてあったゴルフボール型(なぜ!?)の石けんが濡れた軌跡を描きながら転がるのが、ぁあ、うっとうしい!


なぜ、ニセモノだとくつろげないか。

気持ちの良いホテルに泊まる、というのはちょっとした非日常の、ご褒美のようなものだと思うのです。毎日働いてがんばってるし、たまには掃除とかベッドメイキングのことを考えなくてもいい、誰かが朝食を作ってくれる場所でのびのびとくつろぎたい。なのに、そんな場所でニセモノに出会うと「ここに泊まる客にはね、所詮これくらいでいいんですよ、たいして高い料金を払っている訳でもないんだから、表面だけかっこう良くしておいたら」という、隠れたメッセージのようなものが見えてしまう。「これくらいでいいだろう」という気持ちで用意された場所では、人は大事に扱われているとは感じられない。

イームズの本物が予算からして高すぎたら、なんちゃってイームズを買わないで、同じ値段でも誰かがもっと誠意を持って作った別の家具が見つかるはず。ばかみたいに大きなバスタブを入れなくても、心地の良い浴室はいくらでも考えられる。「あなたの快適な今夜ために、予算はそんなにかけていないけど、誠意のあるものたちでこの部屋を用意しました」という場所は、たしかにあるし、そこはわたしをくつろいだ幸せな気分にしてくれる。と、そう思うのです。手作りのジャムやお菓子が置かれている、自分でお茶をいれて飲めるような小さなB&Bなんかは、ニセモノの置かれた「デザインホテル」よりはよっぽど快適に過ごせる。それは、ゲストとしてもてなされている、そのホスピタリティーをしっかり受け取れるからですよね。

この「真のホスピタリティー」はHPやホテル・レビューでは分からないものだなあ、と思う。今回はがっくりしたけど、朝食はまあまあ良かったし(まあまあ、ね)、レセプションも感じが良くてミラノで普段泊まるホテルに比べればよっぽど快適だったので、AC Milanoには、今後泊まるかもしれない。ネガティブ・チョイスなので「楽しもう」というスイッチはオフにして。このあたりの、宿泊にかける費用と結果としての心地よさのバランスって、ほんと難しいです。

***

I realise that there are a lots of visitors to this blog from abroad. So, I write in English as well today, because it is not easy to get message of this post by photos only.

I stayed in a hotel in Padova, named AC Padova, one of AC hotels run by a Spanish company.

OK, I have to admit that the reception area is good, chic and nice texture of materials and colour. People are professional, nice and helpful. Breakfast was not bad, either.

But once you step into your guest room, then you find items in the room are all copy or fake or substitute – from ‘inspired’ Eames chair to Walnut printed vinyl floor and big plastic bathtub. I could not be really happy being in this room, as I received subtle message of management that says ‘you are not paying huge amount of money anyway, so forge Design Hotel is suitable for you’. This message damages impression of whole experience, leave scrach in your mind and you are not entirely comfortable there. You want to go home, being surrounded by not expensive, but honest things.

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